2014年12月11日木曜日

ゴッホを教師として、画家とは?・・・どういう挑戦をすべきなのか・・・(1)

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ゴッホが画家になる本格的な決心をしたのは、27歳
37歳で自殺(他殺説もあるにはある)するまで10年ほどのキャリアしかない。

世界が認める「大画家」にわずか10年で成り得たゴッホという人の何が凄かったのだろう。

ゴッホの性格的な特徴として、自分だけが得をすることをひどく嫌ったというのがある。並みの人間なら、自分だけは得したい・・・と思うところではないだろうか?
彼の場合は真逆だ。
なので、自分に懲罰というか罰を与えることもあった。

自分だけが得をしないようにすれば「大画家」になれるだろうか?
そうでもないだろう。

そのことは、描くべきテーマに関係するかも知れない。
ゴッホは、癒しの絵、人生の応援歌みたいな絵を描きたかったというところがありそう。
なので、彼の絵には、女性のヌードは極端に少ない。他の画家のように、描画技術アップのための裸婦像がないわけではない。が、性的魅力などを表現してみたいということでテーマとするところは極端に少なかった。

その必要はないということを早くに感じ取っていたようだ。
石膏像を真似てのデッサン練習というのもそうだ。
芸大出の人にしてみれば、おやおやと思うようなところかも知れないが、むろん、芸大の方が優れている(芸術に対して)というわけではないのだから気にすることはない。

ミレーの「種まく人」のような、農民が額に汗して働いているというところが、とても好きだった。現代でいえば、例えば金融で、証券を移動して、巨額の富を築くというのの反対の方を好きだったようだ。なので、テーマを選ぶときにゴッホは参考になるかも知れない。

社会生活を営む上での、俗にいう上流階級に向けての絵は描いていない。結果的にゴッホの絵が、非常に高額になってしまって、売買は大変だが、美術館に行けば見られたりするのだから、その点ではゴッホの意図は成就されている。
彼はどちらかというと、一般市民が自宅に飾ってくれるような、そういうことである程度の値段で売買されるような絵を目標として描いていたふしがある。
画家として、絵を売りたかったのは間違いないので、買ってもらえるような絵を目指したことには間違いはないだろう。

次に、伝統的な権威が嫌いだった。革新的なことが好きだったわけではなさそうだが、結果として、革新的なことはけっこうやっている。

今でいうと、既得権益にしがみつく権威としての自民党政府や東大出のキャリアは嫌いで、維新の党が好きだというようなところだろうか。
人生に対する、父親との向き合い方の違いで、父親だけならず、多数の人と、仲たがいをしているが、要は、権威にこびを売ることはなく、形式にこだわるところはほとんどなかった。
ゴッホのような性格でなかったら、確かにのちにポスト印象派と呼ばれるような重大な絵画シーンにからむことはなかったろう。
彼自身は「印象派」の絵を見たときは、その汚さにひどくがっかりさせられたと言っている。噂ほどではないな、と。
その「印象派」からも、学ぶべく処は沢山学んだようなのに、汚くてがっかりさせられたと(後で)言い切るところに凄さがある。

21世紀の現代では印象派の絵は凄く人気があるので、とてもそのようには言えないだろう。
ただし、のちにはピサロに教えられた部分などもあって、印象派に満足はしていなかったものの、全否定していたわけではなさそう。

生前、ゴッホの絵が1枚しか売れなかったとはよく言われるが、実際は売るための絵を描いてさばいていたことも短い時期だがあったので、そうではない。
ちょっと小銭を稼ぐ絵を描くというポリシーを批判されて、すぐに軌道修正している。

面白いのは最晩年の1890年、自分の絵が、評論家によって、賛美され始めたのに、普通の大家なら、これで今までの努力が報われそうになってきた、だから、あの評論家と仲良くなって、どんどん世の中で目立っていきたいものだ・・・とでも考えそうなところを、いえいえ、自分の絵なんかより、あなたが評価(賛美)すべき芸術家(画家)は他にいますよ。モンティセリを御覧になってください・・とか、自分の作品なんかより優れた作品が他にもっともっとありますよ。・・・と、まったく偉ぶらないところ。
ここんところは非常に素晴しい人柄ではないだろうか。
こういうところで、ゴッホの絵が(その人間性から)世界中から好かれるというのもあるのかも知れない。
(もっとも、自分ですら、自分の偉大さに気づいていなかったというのもありそう。)

その人柄がなんに影響していたのだろう?
それは、何をテーマとして描くか、どういうふうに描くかというところにも影響があったと考えざるをえない。

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