2014年10月28日火曜日

ゴーギャンの絵の面白いところ

ゴーギャンは、芸術は抽象だ。・・といい自然をそのまま描き写すことを嫌った。
全体の中で、細部は犠牲になって構わないという考えの割には、彼の絵は
前景と後景に分かれていることが多く、他の画家より、後景を丁寧に描いているような感じなのが面白い。

1888年
 
ゴーギャンは印象派の展覧会に出展したこともあるのに、印象派の理念を否定した。
シスレーやモネやピサロのように風景だけを描くというのはほとんどなかった。
ほとんどの絵に必ず人物が入っている。
 
ピサロは、ゴーギャンをあまり評価しなかったが、つわものだとは認めていたようだ。
同じく、印象派のぼやけたはっきりしない描き方に疑問を持ったセザンヌの絵は、不思議な魅力があると褒めていた。

芸術は抽象だと言ったのはゴーギャンが初めてではない。
印象派の描画理論も写実主義の変形であるに過ぎない。
絵は、ゴーギャンやセザンヌやゴッホが世に出る前は、全ての画家が写実的だったといっても過言ではないだろう。
印象派も写実主義の一派でしかなかったと見なすことも出来る。
しかし、時代は写真術が台頭してきた。

芸術は抽象だ、いかに細部を省略して描くか・・・などと必死に考えたのは、ゴーギャンとかが最初の方だった。

ただ、その考えは、詩人のボードレールが先に、言い出したものだ。
ゴーギャンはボードレールに共鳴した。そして、画家としては時代の先端を走ったということもできるだろうか。

そして、その割には、遠景を丁寧に描いているところが面白い。
また、画面を遠景と近景に(後景と前景に)2つの分けて、欲張っているところが面白い。
ゴーギャンの絵の人物画はセザンヌやゴッホと違って、バックに何か面白いものを描き足しているのが特徴だ。何か意味付けをしているのかも知れない。

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