2013年10月10日木曜日

どういった絵を描きたいのか

どういった絵を描きたいのか、自分の内なる欲求が見えてこないとき、先人の作品の中から、好みの絵を探すのも悪いことではないような気がする。
音楽家や小説家はどうなのだろうか。
その道を志す時に、ああいう感動した曲に巡り合えたとか、あの小説で涙が出たとか、そういうのもその道を志望する動機になってることもあるのでは?

と考えて、色々な作品を見てきたものの、なかなか定まらない・・・というので、少しづつ、自分はこういう絵は描かないな・・とか、更に進めて描きたくないな・・というものまで、意識して肝に銘ずることも悪くないような気がする。

人それぞれなので、興味があるかないかの問題であって、別に自分が興味がないからといって、その人をけなすわけではないし。・・・・ということで、自分の好みを分析してどういった方向に進もうか、仕事の合間に手を休めたときとかそういうことを考えたりする。

ま、けっこう四六時中考えて、まるで絵を描かない状態というのが、けっこう長く続いているので、気持ちを整理してみる。

まず、自分はスーパーリアリズムと写実的な絵には、ほとんど興味がないというのが、なんとなく判ってきた。

宗教的な絵とか、歴史上の事実に沿って想像で描くというのにも興味がなくて、肖像画にはさほど興味が湧かず、かといって人物画には大いに興味がある。

それと、シュールレアリスムの絵は、全く苦手だというのも分かってきた。とは言いながらマグリットの「大家族」には惹かれてしまう。ピカソの後期のものは、無理だけど。

大雑把に分けると、抽象画と具象画、自分は抽象画が苦手だ。
しかし、具象的な絵画でも、スーパーリアリズムとかハイパーリアリズムの絵には、「ご苦労様、お疲れ様」という感覚はあるが、あまり好きではないのが分かっている。

古典の先達の写実的な絵も、細かなところでは間違っていて、さっぱり写実的でないのも分かっているので、興醒めしている。特に、「遠近法」はどれもこれも間違っているか、故意に歪曲して、写実的ではなくなっているので、9割方写実的で、1割は嘘だというのは、最早、デフォルメではないかという感じで、絵とか筆のタッチとかを練習しようとして真似するのはいいが、カラー写真がある今の時代に、描き方まで倣いたいという感じはない。

で、結局のところ、どういったのがいいかというと、印象派以後の作風ということになるだろうという予感がしている。

ただ、印象派の絵も、絵の具を混ぜなかったり点描したりでも、基本的に写実的だったので、ちょっと違うなという感じ。
結局、ポスト印象派の辺りが一番、自分(の好みに)に合っていて、それ以後の近代絵画の実験みたいな絵は、自分には無理だな(というか描きたくないな)という感じかも知れない。

で、どういった絵を描きたくないのか・・というのがうっすらと分かってきて(煮詰まってきて)、YouTubeにあるような、「風景画の描き方を伝授します」、というような絵。
ああいうのが、(非難するわけではなく好みの問題だと思う)描きたくない。

特に海外の動画作品(YouTube)に多いが、写真を見て、それを基に組みなおして、少々デフォルメして描くのはいいとしても、まるで空想で、写実的な絵を、テクニックでささささっと描いていく。ああいうのがいただけない。
絵は技術もあろうけど、「描画技術ではない」だろうと思う。
(反面教師にしています、参考にもしてるけど)

何か自分に由縁のある、家族とか父母とか、親戚とか、友人とか孫とか、愛情を注いだペットとか自分の育った街とか、とんでもなく感動した景色とか物事とか、おやっと気になってしょうがないものとかそういったものを描くのなら話は分かる。なんの因果もない、空想上の景色などを(たまに人物を入れたりする、寂しいという理由だけで?)写実的に描いて何が楽しいんだろうと思ってしまうわけです。

空想なら、抽象的に描いて欲しい。(描く人の勝手で、こちらで注文はつけられませんが)

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