2014年8月20日水曜日

ゴッホの好きだったミレー(1814~1875)

ゴーギャンはセザンヌの絵が好きで、ゴッホはゴーギャンやミレー、ドーミエ、モンティセリ、レンブラントの絵が好きだったようです。
セザンヌやクールベは、自分が1番の画家だという自負心が強かったものの、参考にしていた画家がいなかったわけではなさそう。

ノルマンディーの寒村に農民の子として生まれたミレー(1814~1875)は、1848年のある晩、(シェルブールで?)ある店の飾り窓に置かれていた自分の絵(の複製)の前で、1人の青年が言ったことを聞いていました。
「ミレーという男は、裸の女の絵しか描かない。」

それで、生計の為とはいえ、裸婦(ヌード)作品を作ることに恥じ入って、その年のサロンには農民画を出品したといいます。
「種をまく人」「落穂拾い」「晩鐘」とかは名作の誉れも高かったものの、二月革命の反動期に入った第二帝政の時代には、支配階級からは、「ソーシャリストの抗議」とか「革命への教唆」ととられたりもし、
また反対に、いやいやそうではなくて芸術的だと擁護されたりもしたといいます。

ミレーは実に多くの手紙を残し、自分自身の作品の優れた注釈ともなっていました。
絵を描くことだけで語れぬものが彼にペンを走らせ、それが又、新たな絵を描く原動力になったという点で、ファン・ゴッホに通じるところがあるそうです。

同時期の画家ドーミエ(1808年~1879年)は、社会観察、風刺に興味の焦点が定まっており、裸婦像には全く興味がなく、決して描くことなかったとのこと。
画家も色々です。

生涯に4,000点近い版画を残したほか、数十点の彫刻、三百数十点の油絵を残し、油絵は、生前にはほとんど公開されなかったのですが、当時のパリ市民の日常生活、当時最新技術だった鉄道車両内の情景などを描き、今では高く評価されているといいます。

以上、古本からの抜粋

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