2014年8月18日月曜日

セザンヌとゴーギャンの類似性

ポスト印象派は印象主義にもの足りなさを感じて、それぞれの絵画を追求したセザンヌやゴーギャンやゴッホを指すものとしてくくられているが、それぞれが印象派の後に、自分の描き方を追求したということで、グループを形成したわけではない。

セザンヌはゴーギャンやゴッホを認めていなかったものの、ゴーギャンはセザンヌを認めて彼の絵を持ち歩いたりしていた。
「絵画は事物をそのまま写し取るものではなく、抽象だ。」という点では2人は似ている。
2人とも、写真のような正確な再現を嫌い、単純化しようとしていた点も似ている。
ゴッホも「写真の様に描く連中」といった表現で、執拗なまでの写実性を嫌っていた点では3人が似ていると言えるかも知れない。

他に似ている点と言えば、構図の取り方があるかも知れない。

セザンヌの絵にもゴーギャンの絵にもゴッホの絵にも何点かの似たような描き方はあった。
それは、近景と遠景を大胆に組み合わせた上で、対象の輪郭を必要以上に強調して描く描き方。
全体に気を配り、細部をある程度無視した描き方などのように思える。

北斎などの浮世絵からも影響を受けているのだろう。
それと、当時、写真術が台頭してきて、写真のような描き方に有意性が薄れてきたというのもあるかも知れない。

不自然なまでに近景と遠景を同じ画面に描き表すというような大胆さというか、わざとらしさが感じられないこともない。
シスレーやモネはあまりこういう描き方はしなかった。



 

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